martedì, aprile 05, 2005

無反省の愚

教科書検定で、従軍慰安婦とされてしまった人々に対する記述を
掲載する教科書が無くなってしまった事や
強制連行についての記述を掲載する教科書が
激減した事、領土問題についての
2つの意見がぶつかって国家間の摩擦となっているにもかかわらず
片側の意見のみを、主張する記述がなされていることについて
アジアで批判の声が上がったことについての報道が
まるで、その抗議の声をあげている人々の方が
事を荒立ていておかしいといわんばかりに伝えているのを聞いて
驚きました。これが、この国の多数派の?中立の立場からの?意見なのでしょうか?
ここしばらく続いた戦時下に行われた残虐行為に対する裁判の判決にも
愕然として、めまいをおぼえていましたけれど、
本当に、どうかしています。
どうなっているんでしょうか。
どうしたらいいのだろうと思って、どうしようもなくて、悲しいです。

韓国や中国の人達が怒るのは当然です。
政治家の人気取り、というのであれば
それは、日本の政治家の、
特殊な歴史観を持つ人達に対する人気取りだと思います。

自分が、韓国や中国に生まれた人間であると想像してほしいです。
以前のまともな教科書で、教育を受けた方々であれば
慰安婦とされた方々や、強制連行をされた方々が
どのような目にあったかはご存知のはずです。
それが、自分の家族であると想像してほしいです。

戦争の時代の事であるから仕方が無いという考え方はおかしいです。
それならば、戦争を始めたこと自体が間違えなのに
それは、認めないのですから。
戦前、戦時中になされた特殊な教育によって
他国の人間の尊厳というものを感じられなかったから仕方の無い事だというなら
今、また特殊になり始めている教育に対して疑問を持つべきです。

自分の母親が、かつて慰安婦とされた人間であったと
想像してほしいです。
それを、今、加害者の国が、その国の子供達に対して
きちんと、戦時中に行われた非人間的な集団行動として
繰り返してはならない事として、強く戒める気持ちを持って教える事を
放棄しだしたとしたら、どう感じるか考えてほしいです。

仲良くしたいです。
ちゃんと、誠実な国の人間として、
相手国の人間に対する誠意と、尊厳の尊重の気持ちを持って
仲良くしたいです。

日本人として、あのような教科書で
子供達を教育するようになるなんて事は
とても恥ずべき事だと思います。
ただ、歴史上の明るい面だけを
日本は素晴らしく清廉潔白な国であり
間違えなんかおこさないのだ、
だから、国家から死ねといわれたら死ね、と
そういうところにつながりかねない
そういうものは、教育とはいえないと思います。
それは洗脳です。
オウムが信者に対して行った事と同じです。

信じられない。
自分達のしている事を、さておいて
それに抗議する人たちに対して
選挙のためだなんて言うなんて。


子供の権利条約 
第29条
1、締約国は、児童の教育が次のことを指向すべきことに同意する。
  
a 児童の人格、才能並びに精神的及び身体的な能力を
その可能な最大限度まで発達させること。

b 人権及び基本的自由並びに国際連合憲章にうたう原則の尊重を育成すること。
  
c 児童の父母、児童の文化的同一性、言語及び価値観、
児童の居住国及び出身国の国民的価値観並びに
自己の文明と異なる文明に対する尊重を育成すること。

d すべての人民の間の、種族的、国民的及び宗教的集団の間の
並びに原住民である者の間の理解、平和、寛容、両性の平等及び友好の精神に従い、
自由な社会における責任ある生活のために児童に準備させること。

e 自然環境の尊重を育成すること。

2、この条又は前条のいかなる規定も、
個人及び団体が教育機関を設置し及び管理する自由を妨げるものと解してはならない。
ただし、常に、1に定める原則が遵守されること及び
当該教育機関において行われる教育が
国によって定められる最低限度の基準に適合することを条件とする。