sabato, novembre 12, 2005

想定

当たるも八卦 当たらぬも八卦

報道や普通の人々がこのままなら
(多分このままだと思うけど)

来年あたり、憲法改正のための国民投票法が成立する。
共謀罪も刑法に加えられる。
”鷹派色を排除した(そうは思えないが)”憲法改変草案が国会に提出されて、
粛々と議会を通過し、国民投票が行われる。
この時の草案内容の目的は
その先の憲法改正を、簡易にする為のものなので
そこさえ押さえてあれば内容はそれなりに譲歩も妥協もされるでしょう。
だから憲法九条1項は残される。
この件において大事なのは、自衛隊が自衛軍になり
国内の”治安維持の為の活動”ができることだから。
軍が市民を制圧できるようになる。
市民運動が制圧できるようになる。
国民投票法や
共謀罪や
プライバシーや
なんやかやで、
情報を操作しやすく
市民が思った事を言いにくく
手を携えにくくなれば
いいわけです。
今でさえこうなんだから。まぁ、黙らせるのなんか簡単。だったね。
国民投票法が成立すれば
憲法改変草案は
何度でも、国会に提出される。
もし、有権者に多少の理性があり
はじめの国民投票では否決されても
何度でも、可決されるまで草案は提出され
いつかは、改変される。
反対運動を、続け続けるのは、困難です。
変えたい側は、それが飯の種だが
お金も権力も時間もあるが
痛みを押し付けられる事になる側には
借金くらいしかない。
憲法は改変され
新しい憲法草案が再度提出され
また改変される。
鷹の色は、最初は省かれていたっていい。
そのうち、濃ゆくできるから。
九条1項は
後で変えれば良い。
焦る必要は無い。
中曽根さんの復古調も、今はちょっと待っててね。
枡添さんの言うように。
まず、憲法を変えることが肝要です、から。
どうしてもと仰るなら、まぁ、2回目3回目辺りで
加えてあげてもいいですよ。
九条の一項、変更できそうになった時は、
侵略戦争を、禁止にする。
日本国が行うのは侵略戦争ではない(「自衛隊の任地は戦闘地域ではない」と同じ理屈)。
攻撃は最大の防御だ。
国家の自衛権は認められるべきだ。
個人の自衛権をないがしろにしても。
憲法は変えられていく。
どこまでも。

政府の役職が、誰になるかは、たいした問題じゃない。
名前と顔の出ている政治家の人達は、みんな駒だから。
誰かが予想すれば、予想を少し外す事で
有権者を安心させるだろうし
安心は裏切られるだろうし。
要は、殺人をする為の
高価な道具を消費し売買できる事が求められている。
戦争による高額の金銭のやりとり、経済動向が成立すればよい。

自衛軍人は戦闘に参加して消費される。
足りなくなれば、いたしかたない
多少使えない人間でも鍛えていく責任が、軍上層部に託されて
徴兵制が採用される。
倍の期間のボランティアとどちらか選択制・・かな。
一部、議員や高額納税者の家族には免除されるかも。
戦争は急には止められない。
人が居ないからといって
止めるわけにはいかない。
”面子”があるから。

誰かの家族が、戦争に征って帰ってこなくなる。
”普通の国”のように。
ただし、海外の多くの普通の国と、日本の間にはひとつ大きな違いがあって
他の一部を除く普通の国では
戦死者の遺族は嘆き悲しみ、殺されたという事ができるが
きっと、日本国内では、家族が嘆けば、社会から非難されるだろうな。
「喜べ」とか言われる。
最初は多少の報奨金が出て、
それで、納得しちゃう家族もきっと多いだろう。
そのうち、ビール瓶の蓋みたいなものとしか
ひきかえにならなくなるだろうけど。
お国の為に名誉を果たして
靖国神社に祀られた。
あなたの息子は神になりました。
立派な事です。誇りなさい。
素直に誇る母も、きっと、たっくさん出てくるだろう。
今生き残ってらっしゃる方々と同様に。
それが日本の、多数派の特性。

隣国を片っ端から挑発している今の対外政策が
更に直接的に行われるようになり、
キレやすそうな、将軍さんの国辺りを相手に”自衛権”を行使する。
CNNやBBCでは、「極東で紛争勃発」と報道される。
国内では「最後の手段を行使せざるを得なくなった」と伝えられる。
国内のどこかで地上戦が始まると
「汚職」や「違法取引」や「ネット犯罪」や「企業買収」
「振り込め詐欺」や「アスベスト被害」や、「芸能人の離婚と結婚と病気」
くらげやいのししの異常発生、スギ花粉情報
そんなニュースの合間に
「現地からの中継」が、ほんの少しばかり入る。
今の沖縄での、基地反対運動のように
もしくは、地震や噴火の被災地のように。
ドラえもん募金が募られる、かも。
赤い羽根が、取立てのようにやってきて
強制的に”思いやり”を徴収していく。
視聴者は、自分の住んでいるところに
戦闘地域が来なければいいなと思いながら
新聞を斜め読みして、自分がそこに居ない幸運を喜び
家計簿とにらめっこする。
医療費負担が増えるから
病死者も増えるだろうし
戦争すれば、最初はどうあれ、景気は悪くなるから
(だって、普通の人の経済活動が
できなくなるじゃない。
経済活動する人が戦争に連れて行かれて消えてしまうんだから)
自殺者も増えたり、事件も増えたりして
それぞれの抱える個人的問題はどんどん増えるだろうし
今でさえこれなのに
そのうえ、法律でまで発言が規制されたら
アメリカやヨーロッパよりも
もっと反戦運動は起きないだろうから
戦争はいつまでも続く。
続けるために”国民の団結”が必要になるだろうから
国家権力は、問答無用に強くなるし
福祉は名前だけになる。
名前だけやたら立派になる。
「偉大なる慈愛に満ちた恩恵」になる。

モノは高くなるけど
消費税も増えるし
福祉の為に使う消費税が増える事で
今まで福祉に使われていた分の税収は軍事費に回されるし
そのうち、福祉は自己責任の小さな政府になってゆくから
使途なんてのも、もうどうにでもなるでしょうし。
政府の政策に対する一般個人の文句は、
数回目の憲法改正で治安維持の為に、完全に制限されるだろうし
あとは、大企業だけが要求ができるようになれば
法人税でまかなわれている分も
消費税でまかなわれるようになるかも。
それでも、商品を買い続けられる人は、居続ける。
”セレブ”な、一部の潤った人々の為に
グルメ情報は流れて
こだわり逸品が紹介され
ブランド品のバーゲンは行われ
海外ブランドの新店舗もできる。
携帯電話も進化して
低公害車が走り
環境を考えた住宅も建築され
100万円のスーツを着た大人と
10万円の子供服を着た子供の住む
環境を考えた地球に優しい住宅の横で、
戦災孤児が野垂れ死ぬ。
それが誰かは誰にも関心ももたれないし
その誰かが、それまでの間に
どんな哀しい思いをしたか
どんな苦しい思いをしたか
どんな悔しい思いをしたか
語られる事は無く
戦災で亡くなった家族を自分で焼いて
拾った骨を握り締めた遺骸が
ごみとして処分される。

人だったものがごみとして処分されるのが戦争。
慶応幼稚舎出身の少年の遺体も
東大法学部出身の老人の遺体も。
六本木ヒルズに事務所を構えた事のある破産者の遺体も
田園調布に家のあった没落者の遺体も。
場所によっては、処分されないままになるかもしれない。

運が悪けりゃそれまでよ。

そして、最後に
”悪の枢軸国家政府から、日本国民を解放する為に”
アメリカ軍がやってくる。
イラクで、今、起きている事。
日本で、60年前起きた事。
ただし、アメリカをはじめとする多国籍軍は
日本に平和憲法を渡すという”失敗”は二度と繰り返さない。
エンパイアステートビルを、再び買い叩かせるような事はしない。